ぼくがジャズを聴くようになってからほどなくして集中して聴き始めたアーティストがもうひとりいます。
そのかたは
(Wayne Shorter)」。
言わずとしれた、サックスのジャズジャイアンツのひとりです。
オフィシャルサイト(英文)
彼のジャズ人生はハービー同様長いです。
ウェインが参加してきたバンドには
「VSOPクィンテット」
「マイルス・デイビス・クィンテット」※追記しました
などがあり、ジャズ界の最前線を戦ってきたことがよくわかります。
そしてソロとしての才能も格段に高く、これまで発表してきた作品はどれも注目されました。
発表してきた作品はハービー・ハンコックには劣るものの、これまで数多くの作品を発表しています。いちばんはブルー・ノートで次がソニー、といった順番でしょうか。在籍していたレーベルごとに音楽の傾向が違うのがとてもよくわかりますし、そこが面白いところです。
ショーターのサックスは他のプレイヤーとはちょっと違う、といった印象を持っており、彼のブロウを聴くと、魔術(決して魔法ではない)をかけられたような感覚になります。これまで数多くのアーティストが自分の演奏の独自性を追求してきましたが、彼のサックスを表現するならばまさしく「魔術」。そう印象づけるメロディがふんだんに散りばめられています。それはアフリカチックでも南国チックでもない、まったく新しいジャンルのジャズに聴こえます。
彼をもっとよく知りたいと思うようになったのは、たしかハービーが結成した「VSOP」。このライブ音源にめちゃくちゃ魅かれ、ショーターの作品を手に取るようになります。
実は、というか、ハービー・ハンコックとウェイン・ショーターは創価学会員。
ジャズを聴き始めたころはそんなことはまったく知りませんでしたが、ショーターの自伝が潮出版社から発行されたことや、新聞の紙面にハービーが出ていたこと(ジャズと仏法を語るという対談がありました)でようやく直結しました。ハービーは結構仏法ということばを用いて音楽との関係性を語ることが多いですが、それに比べるとショーターは寡黙、もしくは静かな情熱のような印象を持っています。自伝もだいぶ前に読んだきりなので、機会があればまた自伝を読んでみたいと思います。
こう、なんというか、外国人が日本の宗教を実践するさまを客観的に見ると、何だかとても勉強になります。かといって、彼らのような姿勢で宗教活動をしていくことは、日本人にはおそらく無理だと思います。そんなこともあり、結局ぼくは会を退いたのですが。
音楽には、少なからず宗教的背景は影響を及ぼします。それはクラシックも同様ですし、ポップスやロックに関しても同様だと思います。そう考えると、音楽は一種の布教活動となっているのかもしれません。しかしながら、ジャズを含めた音楽はある種の「平等」を備えています。それらに触れ、耳にしたときに感じた印象そのものが、ことばでは説明できなかったことなどを一瞬にして解釈していくということは意外にもあることです。そう考えたときに、このウェイン・ショーターというひとは、どのような想いを込めてサックスを吹いているのか、とても興味が湧いてきました。
今後はコルトレーンやハービー同様、ショーターの作品も掲載していくことになります。
ハービーやコルトレーンと比べると発表している作品は少ない(他のふたりが多すぎるという意見も)ですが、どれも傑作ばかりです。そして脇を固める人たちも豪華そのものなので、あの時代に飛躍目指して突き進んでいた、情熱というものを綴っていくことが出来ればと思っています。
きょぅまでに読んだ本