台湾での旅行において、オプションでバスツアーを付け加えていました。
というのも、そのバスツアーには「故宮博物院」の見学が含まれていたからで、それが入っていてもリーズナブルな価格だったのです。ほんとうであれば十分な時間をとってじっくり観に行こうと考えていたのですが、とっかかりとしては最適のかたちで訪れることになります。
故宮博物院での見学も圧倒されたのですが、バスツアーで最初に寄った先が「行天宮」と呼ばれるところでした。
この「行天宮」に祀られている神様は、三国志をご存じの方であればお馴染みの武将「関羽」です。一緒かどうかはわかりませんが、横浜にある中華街にある社にも、関羽さんが祀られていることで有名であり、熱心な信仰を集めています。
今回の旅では宗教的な側面に触れることを考えていなかったのですが、不意なかたちで、信仰のかたちを垣間見ることができました。
現地のボランティアのかたにパンフレットをいただいたので、それを参照しつつ書いていきますと、
この場所に祀られている神様は全部で5人おり、
が鎮座していました。
郷に入っては郷に従え、ということできちっとはできませんでしたが、礼拝を済ませ、しばし境内を見学。聞いた話で驚いたのは、ここを建設されたのは日本でいう宗教法人ではなく、個人(会社の社長さん)が建設されたとのこと。その後の運営についても驚きで、すべて企業からの寄付で賄っているそうです。この場所にはボランティアのかたや、仕切られた場所で写経(もしくは読経)している人たちがいますが、必要なものをすべてカバーしているということでした。
断りを入れて撮らせていただきました。
ふたたびパンフに目をやると、関羽こと関聖帝君は、儒教・仏教・道教の三教で崇められる全知全能の大神だとのこと。これはもはや大日如来や、天照大神的な存在になります。そういった偉大な存在であるからこそ、ここから広げていく社会運動や宗教活動にも、目を見張るものを感じました。
この施設では宗教のほかに「文化」「教育」「医療」「慈善」と活動方面を多角的にしており、かなり社会的にも認知され、受け容れられている現状があります。そういった環境があるからこそ、相互関係が成り立つのかなと感じていました。
建物の建築様式にも目を見張ります。さすが本場といったところです。精巧さは日本の建築物が一段上手のように感じますが、それでも独特の荘厳さを感じさせます。飾られている聖獣の位置についてもしっかりと考えられており、しきりにうなずいていました。
今回は廻る時間がありませんでしたが、日本でいうところの寺社仏閣巡りは、台湾で体験したいことのひとつになっています。そこは現地のひとにとって信仰の場であるのですが、そういった場所であるからこそ、普段の生活も垣間見えるし、どのように扱われているかが見えてくると思うのです。MRT沿線にある「龍山寺」をはじめとして、たくさんのお寺があります。そこに少しでも触れて見て、歴史と言うものを感じてみたいと思いました。
趣向がわかってきますね。
今回はこの行天宮のみでしたが、関羽さんだけではなく、まさか岳飛も神様になっているとは知らず、びっくりしました。中国では歴史上のヒーローとしてよく岳飛があがるそうです(あとは楊家将の楊業とか)。そういった英雄が神様になる。これって万国共通のことなんだなと思いました。少なくともこの宗教施設は「開かれて」いると感じました。最近は建物の中が見えない、口ではどうぞと言いつつも中々開かれていない宗教団体が日本にはあります。衆生を救うというのも立派な使命ではあると思うのですが、社会貢献に関してもわたしたちが「認知」出来るための働きかけや、地道な努力が必要なのではないかと勝手ながら思ってしまいました。
さ、宗教の話しはこれまで。
次回はパンダの話しを書こうと思います。
きょうまでに読んだ本