今週は衆議院解散のニュースで持ちきりとなっていますが、ぼくの身近なところでは、なんとも呆れる出来事が耳に入ってきています。
それは、とある団体の代表さんの名前を「勝手に使い」、事業等をしているというもの。
その利用方法とは、あたかもそのかたがとある事業の「代表」となり、その事業を展開しているというものであったり、その方の「知り合い」を名乗り、自分が有利になる商談を関係各所に持ち込む・・・というものだそうです。
実績が伴い、知名度が集まると、とある人種にとっては「金のなる木」として認識されるようです。
このような状況に当の代表さんは困っていらっしゃる状況。
そもそも、その人の人柄や、やる事業の内容を見て、自分が参加するかどうかを決めるというのが普通の流れだと思うのですが、代表さんが断っているにも関わらず、あたかも「自分は○○さんの知り合い」とか「この事業は○○さんが先頭に立っている」といった表現で、聞く耳を持とうとしません。
しかもそれを注意すると、「それのどこが悪い」と、逆切れされたそうです。
また、自身はこれだけ地位があるんだ、力があるんだということをこれ見よがしに言ってのけ、反発したそうです。
よくよく話を聞きますと、その方本人に力があるわけではないそうで(笑)、周りの親族がそこそこの企業にいらっしゃる程度のこと。
その「そこそこ」の基準がまったくわかりませんが、現代ではたとえ一流企業でもどうなるかわからない状況生んでいます。よほどその方は、関係者が勤める「そこそこの企業」が、将来安泰だと思い込んでいるようです。
ここまで書いていくとわかるのですが、その人「自身」には、力がないのです。肩書もないのです。言っていることは、「わたしの周りにはこんな凄い人がいるんだぞ」という、人脈のアピールに過ぎません。それ「しか」言っていない時点で、その人自身の能力がどれほどのものかは推察できると思います。
そんな腐った人間もいるものだな・・・と思っていたのですが、衆議院解散の報道を見て、何か選挙や政治の世界と似ているかな、と感じました。
そういった「旨い汁」を吸おうという構図は、果たしてどこから出来たのか。
政治の世界からなのかもしれませんし、既に日常の中にあったのかもしれません。
ただ言えることは、そういったやり方をする人間を非難していたとしても、こと自分の場合には大甘になり、その非難していた方法でさえも正当化するだろうなということ。
そういったあべこべなことが、今この世界で発生しているように思います。
それだけ、自我(エゴ)に囚われているということにつながります。
今回耳にした件は、たとえそのやりたいことが結果的に正しかった、双方の利益につながるものだったとしても、本人の了解を得ていない時点で「アウト」です。大前提として、了解を得るのがビジネスの基本であり、イレギュラーはあくまでもイレギュラーです。自分だけ特別に認められるという位置のものではありません。そのため、たとえどんな高尚なことを鼓舞していたとしても、結局はその「言っている人」の所作に、すべてのしかかります。現代社会は「結果がすべて」という風潮が強いです。成果を残した者の勝ち。これはある意味では正しいのかもしれませんが、それがすべてではないということです。結果を求めるあまり、崩れ落ちてしまったものごとを、わたしたちはこれまでに幾度も目にし、耳にしていると思います。であるならば、大事なのは「結果」だけではなく、過程も大事であるということを意識していかなくてはなりません。胡散臭いことをする人は、どうもそのあたりの棲み分けが出来ていないようです。
他者を非難・批判することはかんたんです。でも、自分がやっていることが非難・批判される可能性があることを微塵にも考えない人が多いです。じぶんの正しさの証明が歪んでいては、どんなに素晴らしいことでも感覚としては違ったものとして伝わります。どんなに環境にいい、人体にいいと触れ回ってもです。そんな矛盾を、ここ数年感じていました。その原因はやはり、自分の中にあるのだろうと思っています。
政治家を、政治をこんなにしてしまったのは誰の責任か?と考えることがあります。
多くのひとは「政治家の責任」と言うかもしれません。
しかし、そうさせてしまったのは、その人を選んだ有権者の責任である可能性も含んでいます。
有権者には、様々な業種のかたがいらっしゃいます。
その時のさまざまな意図が、今のこの状況を生んだという仮説も、あながちではないと考えています。
政治の世界も、わたしたちの日常の一部です。
その日常が少しでも平穏なものになるために、平穏なものとするために。
わたしたちは、実にさまざまなことをやるべきなのだと、思います。
きょうまでに読んだ本
華竜の宮(上下) 上田早夕里 ハヤカワ文庫JA(276・277)
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