とてつもないいそがしさの大波が押し寄せてくると
どうしてもあたまとからだが止まってしまうようだ
数々の思考も
口にしたい台詞も
浮かぼうとするまえから
どこかにさらわれてしまう
あとに残されるのは
からっぽだけだ
このなかでも立っていくすべを見つけなければならない
このなかでも流されないすべを見つけなければならない
このなかでも
このなかでもなのだ
どうしても粗が出る
それを怖れてはいけない
怖れていては
なにもかもが凶器になる
それはやがて狂気になり
水底へ引きずりこむだろう
そうならないためにも
わたしはわたしをもちつづけなければならない
それがまさしく いきるということだと思う