北海道民ですが、今回の地震で被害に遭われた方に心より御見舞い申し上げます。
当方は道南八雲町にこの春札幌市から移住をしてきましたが、かつて長年住んでいた街の変わり果てた光景に驚きを隠せませんでした。
液状化している地域をはじめ、テレビに映し出されている場所はすぐにどこかと判断がつきます。かつてメール便配達の仕事をしていたことがあり、市内の地理については少なからず記憶が残っていました。それゆえという感覚です。
八雲町は昨日22時20分ごろ、町内すべての電気が復旧しました。
それまでのあいだ、
信号が止まっていたり
どんどん暗くなっても明るくならず
ついには闇が覆いかぶさりました
ちなみに明りが見えるところは役場の中。
発電機を用いてあかりをつくっていました。
当たり前の話ですが、真っ暗闇を経験するのはキャンプでもそうできないことです。
街中に居て明りも届かない闇を経験することはまれです。
懐中電灯やLEDライトを持ち歩くかたもいらっしゃいましたが、それはあくまでも自分の周りだけであって、他人を照らすまではいかないようでした。
それほど、闇は深く、ささいな光などかんたんに吞みこむのだと知りました。
そんな中でも、星空は見とれるほどきれいでした。
それが救いだったように思います。
こんな状況が、木曜日と金曜日に続きました。
そんななか、同じ地域おこし協力隊の同僚がこんなことを思いつきました。
実は土曜日(きょうです)、商工会の建物で産直市を行う予定だったのですが、これらの影響で中止を決定したのです。これに対し同僚は商工会の許しを得て、勤務先の「あ・ふも」で代替えの市場をひらくことは出来ないかと考えました。
そのときは電気がどうなるかわからないという状況でしたけれども、その時の判断はとても素早く、自ら出店予定だった方たちに連絡を取り、確約を取り付けていきます。
その熱意に押されたかはわかりませんが、アナログな環境の中こんな告知文を書いては商工会の建物やら・ふもの入口に貼りました。
なんとまぁ大胆な(笑)
ちなみに、わたしの書いた文字です。
意識したことは極力文字の数を少なくすること。
場所をわかりやすく記載すること
でした。
残念ながら協力隊の活動拠点「ら・ふも」はどこにあるかを知らない方が多いのです。
なので、隣にあります町民ならほぼ知っているお店の隣にありますという書きかたでお店の所在地をアピールしています。苦肉の策です(笑)
これを真っ暗な店内に貼り、土曜日を迎えました。
土曜日。
とても気持ちのいい1日になりました。
電気も戻ったせいか、日常を強く感じました。
そして出勤し、店内の掃除を行い、受け入れを整えました。
今回はお魚・お野菜・ご飯ものの3カテゴリが集結。
販売前には、20名近くの列が出来ていました。感謝。
では実際はどうだったかと言いますと、おおよそ50名くらいの来店があったと認識しています。数の多い少ないは課題になるのですが、開催してよかったかと問われますと、迷いなく「善かった」と答えることが出来ると思います。
スーパーなどに足を運ぶ余裕がなかったのですが、コンビニではお弁当関連の棚がすっからかんでした。それを含めた食品関連が枯渇状態にあることをニュースなどでも報じられていましたので、規模はわからないまでも需要はあると確信したようです。
実際は日用品のほう需要の度合いは高かったのかもしれませんが、約2日間電気が止まったということは冷蔵庫の中に保存しているものの鮮度も落ちてしまったということになるので、食材の需要もゼロではないと予測がつきました。
途中でぼくは他の雑務にかかったためどこまで売れたかは確認しませんでしたが、結果云々というよりも、今回の行動は評価に値すると感じました。だって少なくとも、買い物をされた方の不安を少なからず和らげることはできたはずなのです。
ちいさなことかもしれませんが、力になることができれば。
その精神は、立派なことだと思います。
今回の同僚の行動は、素晴らしいと感じました。
ここからつながるなにかもあるわけですから、勇気のいることだとは思いますが、短時間でよくここまでできたなと思います(ぼくは紙に字を書いただけ 汗)。
現在も余震は続いています。そして本震はこの先にやってくるという話も流れてきています。
正直、そんな話はどうでもいいです。
とにかく、日常を取り戻すことが大事です。
あとは、非常時の備えを各自が意識的に行うこと。
北海道全域で停電という状況は、個人を超えて自治体や国も考えなかった状況です。
今後は想定外に個人が個人なりに対策をとることが求められます。
復旧は必ずやってきますが、少なくとも時間はかかります。
その間の行動は、個人にゆだねられます。
それを強く感じました。
幸い、親族友人など、けがをした人はいませんでした。連絡を取らなくなった(取れなくなった)人にも想いを寄せました。
この不安や悲しみが、1秒でもはやく沈静化することを願います。
また、先の台風では関西方面がいまだ深刻な状況にあります。
北海道にも目を向けて欲しいですが、他の場所でも頑張って堪えているかたたちがいることを意識しておいてください。
平成最後の年ですが、その年だからこそ、国だけではなくわたしたちもなんだか「試されている」ような気がしてならないのです。