昨年の11月から12月にかけて三重県伊勢市に旅行したのですが、その際に利用した航空会社が「北海道の翼 AIRDO(エアドゥ)」でした。
往復ともにエアドゥ(実際はANAとの共同運航便)を利用したのですが、その時にこの会社が「創立20周年」を迎えたことを知りました。
機内にある機内誌などを通して、ここで感じたことを書いていきます。
バスなりJRなり飛行機なりで利用をしますと、ほぼその機内誌に目を通します。
理由は一般の書店で見かけることがないからであることと、かなりコアな情報を仕入れることができるからでもあります。
現在ではスマホを機内モードにして、オフラインでも利用できるアプリなどを楽しんで時間を過ごしていますが、そういったものがない時代は、機内放送に耳をひたすら傾けていました。
最近はもっぱら読書です。
この機内誌「ラポラ」を読んでいて気がついたのが、創立20周年。
正直、もう20年なんだという感想です。
エアドゥが誕生したとき、ぼくは22歳。
その頃の航空会社は、確かスカイマークがなくって、JAS(日本エアシステム)があった頃。
あたらしい航空会社が出来るというニュースは、全国を駆け巡りました。
しかし実際は経営が困難に困難を究めます。
自力での運営が立ち行かなくなり、ANAに吸収(という表現は適切ではないかも)されます。
その時、実際の感想としては「なくなっちゃうんだな」というものでした。
それほどの何かは、実際には湧きませんでした。
そこには熾烈な価格競争があり、今ほど安価で利用できるという時代ではありませんでした。言い訳になってしまいますが、それが現状でした。
ただそこから時間を重ねていきますと、率先して利用するようになりました。
もちろん、価格が安価であることは重要な条件のひとつではありますが、それでは説明できない何かが欲しくて、このエアドゥを利用することがあります。
最近の航空券の手配は家人に任せてしまっていますが、奇しくも道民の翼を利用することになったことがきっかけで、とてもいいエッセンスをいただくことができました。
手元にあるのは12月号なのですが、行きの飛行機が11月号であったため、実際は2誌に目を通しています。印象的だったのは11月号で、入社20年目のスタッフの声を掲載していたこと。そして12月号は、入社3年目までのスタッフの声を掲載していることに、40歳を超えたおっさんは感慨深いものを憶えました。
単純に、「続ける」ことは大変です。
続けることは、「維持」にも似ています。
長期間続けていくことは、実は苦しくて大変です。
生きることも、実は苦労の連続だったりします。
そんなことをぶつぶつ言いながらも、わたしたちは「続けて」います。
それが出来ているのに、仕事や人間関係は短期間で終わらせてしまう傾向が近年にはあります。長期間続けていけばいいものではないという風潮がありますが、ひとつのことを続けていくことの説得力は現代にも根付いています。自分が気に入らないことなどを含めて短期間で見切りをつけていくことは、今も昔もごまんとあります。ただ、それを続けていたらどうなっていただろうかということを「放棄」してしまったがために、安易な選択をしたに過ぎないのかなとも考えています。
今も昔も、面倒なことは考えないようにしている傾向にあります。
逆にバラ色の人生に代表される、順風満帆なことは妄想が膨らみます。
本人は「常に良い選択」をしていると言うかもしれませんが、そこには「継続の放棄」という事実がついて回ります。
エアドゥは、順風満帆な経営を行うことが出来ませんでした。
おそらく現在も、試行錯誤の連続なのではないかと考えています。
その中でも自社の使命は何かと問いを続け、インフラを提供しているはずです。
あと10年続けば30年です。一般企業の代表的な寿命を迎えることになります。
その時の一手が、ちょっと楽しみでなりません。
エアドゥは20周年を記念して、色んな取り組みをしています。
だからこそいち道民として、応援したくなります。
それを「地元」に置きかえたらどうなるでしょうか。
そこに「円満な経営」は、ひょっとしたら関係ないのかもしれません。
これからの北海道はいろんな情勢が押し寄せ、厳しい時代を迎えるかもしれません。
その中において何か突出するものが確立しているかどうかは、重要なPRポイントになります。
移住してきた先の北海道八雲町も、これからの10年・30年・50年は重要なポイントです。
その中において、自分は「スピリットだけは持ち続けよう」と思いました。