つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

バックヤード。

ここのところ色んな催しに参加しては、同時に裏方も経験させていただく機会がありました。そこから感じたわたしたちの癖や、今後の願いのようなものを書いていこうと思い、ひとつの記事にすることにしました。

 

 

 

催しに参加したり主催したりして感じたこと。

 

それは、表に出て多くの人に認知してもらえるのは、時間としては短いというもの。

それよりも事前の準備のほうが、より多くの時間を費やしているということ。

しかし他人はそんなことを知ろうともせず、表に出てきたもの「だけ」を見て、ああだこうだと評価を下したがる。その人自身の仕事でも必ずそういう場面はあるはずなのに、そこに結びつけようとしない。またはできないといったほうがいいのだろうか。

 

それって、やる側の意気を削ぐよなぁと思いました。

 

  

顕著に感じるのは、誰もが他人を「評価したがる」ようになってきたこと。

中には匿名性を利用して相手をこき下ろすことも少なくないと思います。

誰かに評価をされるなんてことは、実は水面下で起きているもので、実感としては中々ないと思います。仕事で上司から~というのが代表的なのだと思いますが、それが長期間になりますと、本人のモチベーションにかかわってくるのではないかと思っています。

 

 

かく言う八雲町地域おこし協力隊も、「何やってるの?」と聞かれがちです。

あと代表的な声として「俺たちの税金をこんな風にして使うな」というものが、なぜか『間接的』に聞こえてきます。八雲町に来た当初は、役場の人間は嫌われている、とも。

 

ほとんど、直接言ってくる人はいません。皆無といっていいです。それなのに陰からこそこそ聞こえてくる。しかしそれを「いじめ」だとは表現できないのが、大人の世界。

 

「陰口」なんだからいじめでしょ、普通は。

でも本人はそれをかたくなに否定するんですよね。

 

いじめの定義も昔と今とでだいぶかわりました。むしろこどもの世界においては急速に変化してきています。しかし大人の世界はあまり変わってはいません。制度はできたものの、ハリボテの要素が強いです。逆に、被害に遭った人が悪いという風潮さえあります。そんな聖人君子はいるはずもないし、そういった能書きを垂れる人ですらも高尚であるはずないのに、どうしてか自分ではない誰かに対しては、ハードルの高いものを「求める」のではなく、「押し付ける」ようです。

 

 

 

 

 

 

それこそ昔は「影の努力」という表現がありました。

仏典?の表現では「陰徳あれば陽報あり」というものがありました。

表面に出て目に触れるものだけがすべてではない。

それを先人はこのようにして触れているのに、それが一向に浸透していないのが現実のようです。

 

 

 

八雲町に移住してきて、これまでに幾つかのイベントに参加したり、または主催したりしてきました。そこから見えてくる光景は、打合せや設営などを含めた、長期間にわたる準備期間です。本番などほんの数時間の世界です。その一瞬のために、多くの方が努力をされています。年齢を重ねても、資金が少なくなっても、利益とは違った理由を柱として、精一杯活動されていらっしゃいます。

 

それは裏方に回れば遭遇する、ごく当たり前の光景なのですが、そこから感じたことは、「物事を続けることの難しさ」でした。

 

都市部のイベントであれば単発でもいいのかもしれませんが、地方で行うイベントは継続することを望まれます。その背景はイベント自体の数が減ってきていることや、規模も縮小となってきていること。先進国を名乗っておきながら、生活者目線でいくと日常にある楽しみがひとつまたひとつ減ってきているのが実情です。株価がどうとか、業績がどうとか言っているいっぽうで、廃れてきているものもあるというのが、移住してきた身としては歯痒い思いがします。

 

そして昨今は、裏方の仕事を「面倒」等の理由で敬遠する人が増えてきました。楽しむことだけを優先させ、裏方で頑張っている人の努力を認めなくなってきています。しかし、自身の生活においてはどうでしょうか。絶対といっていいほど、裏方と呼べる分野のことはしているはずです。だからこそなのか、それなのにと思えばいいのか、現代人は苦労することを避けてきているように思います。ラクして稼ぐ!というのは、その典型ですよね。そんな方法ありませんよ!と大勢の人が言っているのに、未だに手を出す人は多いです。それはまだ「夢」の範疇だと思っているということなんでしょうね。

 

 

 

バックヤードは経験や知識などを「積む」ところです。

そこでどれだけ過ごし、手足を動かしてきたかがいつの時代も大切なんだと思います。