ゆっくりと走るパトカーの後ろをついて走る
不思議なのは
自分だけでゆっくり走る場合と
誰かの後ろをついて走るのとでは
どうしてこうも違いがあるんだろうということ
眼前に何かがいるとそれを煩わしいと思ってしまう
そんな自分が時折草むらから顔を見せる
そんなのもたまにはいいなとは中々思うことができなかった
時折強い風が吹く
生い茂った背の高い草たちが一斉に踊りだす
リズムに乗った踊りはやがて波を生む
緑の海がいつしか出来上がっていた
陽射しが強い
でも風はつめたい
役場に顔を出す
気づいた職員があいさつをしてくれる
コンビニで炭酸水を買った
それを一気に飲み干した
季節は夏草を生む
それを隠れ蓑にして
ひょっこりキツネが顔を出す