つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】その跡に咲く花

花壇の草むしりをした

 

数日後 きれいにした場所から再び緑が見え いつしか知らぬ花が咲いていた

 

 

 

何度も何度も あの場所を歩いた

 

その部分の草は潰され 土しか見えていなかったはずなのに

いつしか逞しい茎が現れ 天に向かって一輪の花を咲かせた

 

 

 

何もないと思っていた場所から

これほどかという綺麗な花が咲く

 

なんということだろうか

その美しさは何物にも勝る

 

人間が求める美など足元にも及ばない

一瞬の美しさに目を奪われた

 

 

 

 

緑の絨毯にワンポイントの花

これほど美しく 映える情景があるだろうか

 

何度見ても見飽きることのない光景は

その場に立つ人間を別世界へと連れてゆく

 

現実なのに非現実なそのスクリーンは

わたしが何者であるかを教えてくれる

 

 

自然は人間の日常に関係なく咲き誇る

それはシビアな話をメールでしていたとしても

翌日仕事の電話でいつもの声を聞かせてくれる

その声を聴いて安堵し

そして後悔するのに似ている

 

 

 

何かがある場所にも花は咲く

何もない場所にでさえも

 

 

傷みや儚さ そして愚かさを受け止めるかの如く

想いを含めて 明日また新たな花は咲くのだ