つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】忘れることの罪

誰かは過ぎたことを忘れたがり

 

誰かは過ぎたことを今のことのように保有する

 

人によって過ぎたこととは

 

思い出したくもないことであったり

 

今でも持ち続けたいことであったりと

 

それぞれの輝きは異なっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

忘れるという行為はときに都合のいい捉え方をされる

 

疎まれることをあたかもなかったことのように地中に埋め

 

世間には満面の笑みを浮かべリア充を喧伝している

 

そうしてインフルエンサーは自分であると仕立て上げ

 

幸せという窮屈さに己を閉じ込める

 

 

 

 

 

 

そんなに過ぎたことを忘れ去りたいのだろうか

 

あなたには大変世話になったという言葉を対価にして

 

ピリオドという斧を振り下ろす

 

そうして自分だけが共有できる幸せに包っていく

 

 

 

 

 

忘れるということは

 

振り返りたくないということ

 

それはある種の罪

 

なんの教訓も生まない

 

 

自分勝手な考えだけれども

 

そうして人は自分が追い求める幸せを実現していく

 

 

 

 

 

いつだって思ってきた

 

忘れたくないのだと

 

その想いが実は

 

呪いのような重さをもたらし

 

死ぬほどの苦しみを与えている

 

だとしたら手放せばいいのだろうが

 

それでも手放したくないと思ってしまう

 

 

 

 

忘れることは自分にとって罪

 

いつだって 想いたいのだと