いちばん身近に見たいはずの顔が
どうしても遠くに映し出されてしまう
何度も何度も頼んだけど
どうしてこう ぼやけてしまうんだろう
記録には残らず
記憶でしか残すことが出来ない
でもこの時間が終わった途端に
違う顔へ向ける姿がとても近くに映し出された
これほど辛いものはない
一体 何だったのだろうと
笑顔を交わしていた間柄だったはずなのに
どうしていつも遠くにいたんだろう
その一線がとても憎い
それはすべて自分の所為なのだということはわかっている
それでも笑ってくれていたことをありがたいと思わないと
映っている時間が終わってしまったから余計に後悔するけれど
今ではかんたんに残すことが出来るのに
その距離は縮まることはついになかった
文明の利器も
一線を取り払うことは出来なかった