つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】跡をのこす

この場所にいれば

 

この場所で生きていけば

 

刻まれると思っていたんだ

 

本気でね

 

 

 

ただそれも時間の流れで

 

少しずつ霞んでゆく

 

あの一年間で集めたものが

 

霧の中へ消えていく感じがする

 

いつのまにか

 

両手には掌しか見えない

 

 

 

毎日が忙しければそれだけ

 

他のことには構っていられなくなる

 

声をかけていた相手も遠ざかり

 

スマホは段々静かになる

 

そしてただ電池だけが減ってゆく

 

 

 

存在というのは砂浜に刻んだ告白のようなもので

 

いろんな波が打ち寄せた時点で消されてしまう

 

そうやって残したと思っていた跡はなくなり

 

面影も声も遠ざかってゆく

 

 

 

 

 

深追いは更に跡を消していき

 

傷を深めていくだけだった

 

 

 

 

アイコンはずっと

 

既読だけを伝えていた