つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

真夏の夜の和傘と、距離が近くなった「あゆみ」。

先日の月曜日。

 

 

 

いつ以来になるかわからないほど久しぶりの、ガイドツアーに参加してきました。

 

 

 

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発端は大学教授を囲む飲み会で同席した方が、すすきのでギャラリーを開いており、自己紹介を終えた後に飛び出した「中島公園のガイドツアー」の制作を促すひとこと。そこから中島公園に関する著書を図書館から借り、読み、そして実際に公園内を歩き、そして今度は「実際にガイドを受けてみよう」ということに。そのギャラリー「鴨々堂(かもかもどう)」を始点として始まる「薄野(すすきの)ナイトツアーコース」にお邪魔をしてきました。

 

主催は一般社団法人かもテラ。協力に札幌市が加わることで、歴史の重みのようなものが増しています。

 

 

 

このガイドツアーを含めたイベント「鴨々川(かもかもがわ)ノスタルジア」を展開中で、9月にも薄野のお寺さんを舞台とした各種イベントが催されます。

 

 

鴨々川ノスタルジアのサイト:

 

www.kamokamogawa-nostalgia.net

 

以前いただいていたチラシを見てみると、行程は以下のとおり。

 

 

 

鴨々堂からスタート

 

 

薄野で時空を超える街探検ミステリーツアー

 

 

薄野遊郭を知る

 

 

夜の境内散策

 

 

鴨々堂へ戻る。おつかれさまでした。

 

 

 

 

歩く距離としては大したことはないのですが、説明を受けながら、ときには話しながら歩きますので、感想としては「あっという間」に過ぎたという印象でした。

 

当日は雨でしたが、運よく?今回のツアーに合わせ和傘が届いており(実際に傘として使えます)、それをさしながら優雅に夜の薄野を歩くことが出来ました。

 

 

 

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どこを訪れたのかは、実際に参加して実感していただきたいところなのですが、少しネタバレを。

 

 

行程表のところに遊郭とありますが、かつて薄野(すすきの)には遊郭がありました。

現在は、それを物語るものは一切残っていません。

記録を元に散策をしてみると、この遊郭がかなり広範囲に設けられていたことがわかりました。かつて国営放送局の人気番組で、お昼の顔とされていた方が札幌の街を歩かれた際も、同様の説明を受けていらっしゃいます。

 

当時の時代背景やその周りにあった建物などの話しを聞きますと、凄くイメージが湧きます。教科書で読んでも「ふーん」程度になるでしょうが、いまここに立っている土地が、昔はこうだったのか!と思えるほど、不思議なリアル感に包まれます。

 

残念ながら現在は飲食店と繁華街に包まれてしまっていますが、歴史の糸をくん、と引っ張るような感じで、ガイドさんは上手に説明してくださいました。

 

 

 

 

ここまで書きますと、このガイドツアーの特徴がお分かりいただけると思います。

 

このツアーは観光ツアーではなく、歴史をめぐるツアーになっております。

イベント名にノスタルジア(郷愁)の文字が使用されているのは、それが理由なのかもしれません。歴史をめぐるツアー、タイムスリップの疑似体験(ちょっと大袈裟)をするかのようなツアーになっています。

 

 

 

恐らくですが、こういった動きは、全国各地で起きていることと思います。

特に近年では「地域おこし協力隊」を起点とした活発な活動が起こっており、既にそのマチにある財産を有効活用した商品(ツアーを含む)の開発が行われています。それらのごく一部が各種メディアに紹介され、そこに興味を持つ人が年々増えてきている・・・という状況があります。

 

ただ課題もあり、場所によっては大人数を連れて歩くことが難しい点はあります。

今回の薄野のツアーも、歩く場所は歴史ある土地とはいっても繁華街のど真ん中です。ここで学校の1クラスに相当する人数をガイドして歩くのは、かなり困難と言えます。そのため人数に限度はありますが、少ない人数だからこそのまとまり感というものが生まれます。デメリットだけじゃあないんです。しっかりとメリットもあるということですね。メリットばかりを追い求めてしまいますと、デメリットが余計に大きく感じてしまうような気がしてしまいます。

 

ただし、大人数だから「できない」ということにはしない。

それが可能性を、拡げます。

 

 

 

 

この日のガイドは1時間半ほどの予定で歩きましたが、ほんとうに「あっという間」に過ぎていきました。ガイドさんの説明の中には、既に本で読んで知っているものもありましたが、本で読むのと、話で聴くのとでは、やはり印象が違いました。本に書いてあることをただ「話す」だけではなく、じぶんの言葉にして伝えること。これがとても大切なんだなと感じました。また、大まかな説明事項はガイドする際の共通事項としてあるようですが、担当したガイドさんだけが知っている情報もあるとのこと。それも楽しみのひとつになるようです。

 

 

 

 

 

この日の札幌は雨が降ったり、止んだり。けどそれほど大きな降りにもならず。

和傘をさしたり、とじたりしながら歩きましたが、和傘は現代の一般的な傘に比べると断然「重い」ことが判明。骨組みを見てみたら一目瞭然で、もうつくりそのものが違います。壊れてしまえばそれでおしまい、ではなく、何度も直して使っていくというのは、究極のエコです。すべてではありませんが、人間の都合に合わせた動きは、逆にモノが持つメリット側の「特性」を潰し、デメリット側の「特性」を伸ばす、皮肉な展開になっているような気がしました。

 

 

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図らずも、雨の日に和傘をさしながら歩いたナイトツアー。

行き交う人たちも、和傘に注目していらっしゃいました。

「何やってるんだろう?」と、興味をもってもらいたいですね。

 

最後は鴨々堂内にて写真撮影。

半纏を羽織り、傘をさしてポージング・・・になっていない(笑)。

 

 

 

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最初から最後まで、満足して過ごすことが出来ました。

 

また、ガイドについても勉強することが出来ました。これは大きな経験値です。実際にガイドしてみないとわからないところはたくさんありますが、その場に参加することも立派な勉強です。そういった学びなくして、いきなり何かが出来るといったことは「ほぼ」ありません。最初から備わっている能力は何もありません。すべて、努力と継続力が必要です。

 

 

 

どれくらいの時間を掛けて「中島公園」のガイドツアーを開発できるかはわかりませんが、静かな闘志のようなものが湧いてきています。猛烈に熱血しているぞ!まではいきませんが、とてもわくわくしています。まずは先行して学ぶこと。そして組み立てること。最後にガイドすること。どれも一筋縄ではいきませんが、それに見合った楽しさや充実感、ことばに表現出来ない何かが待っています。それを求めるだけにせず、ひとつの大きな「旗」を掲げるようなイメージで進み、こういった事業に流行と世間が注目してくれれば御の字だと思っています。

 

 

 

 

この「名所を巡るガイドツアー」、現在は月曜日と土曜日の開催になっています。

今回書きましたのは「月曜日」のツアーで、土曜日のツアーはまた別のプログラムになっています。こちらも参加してきましたので、回を分けて紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

きょうまでに読んだ本

 

S:BOOK ぼくらの札幌 カジカジ特別編集 カートップムック (221)

山川さん、黒斎さん、いまさらながらスピリチュアルって何ですか? 山川紘矢 山川亜希子 雲黒斎 日本文芸社 (222)