つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

刹那の波

もう思い出すことはないと決めた過去という傷跡が不意に召喚される

 

それは個人の意思に関わらず、天災の様に目の前に立ちはだかる

 

その事実を目の当たりにすると、人は後ずさり、あからさまな拒否反応を起こす

 

 

 

まるで こいつは敵だ と思うように

 

 

 

 

 

 

 

忘れることは必要だと誰かが言った

忘れなければ生きていけないとも誰かが言った

 

では何故ゆえに ひとは思い出すのだろうか

ではどうして 思い出させるアクシデントが起きるのだろうか

 

 

 

 

 

それはたぶん まだ忘れてはいけないことだからだと思う

 

 

 

 

それを無視していけば、無理にでも引き戻される

それを毛嫌いしていては、無理にでも傍らに置かれる

何の感情もないと決めつけていたとしても 結局のところ揺り動かされる

 

それは 弱い強いの問題ではなく

ただただ やるべきことの放棄に他ならない

それがたとえどんなことでも

忘れるというフォルダに格納したいならば

己のルールを破ってでも

やるべきことを為さなければならない

 

 

 

いまがどのような状態であれ

それはどこかに潜んでいる

決して隠れているのではなく

自分自身で硬く蓋をしているだけ

 

それを自覚しないうちは

おそらく何処にも行くことはできないだろう

 

 

 

 

 

 

忘れたい

忘れたくない

 

どうしていいかわからないとき

おろおろと他に頼るのではなく

救いの手だけを求めるのではなく

世間の価値観に照らしあわせるのではなく

先入観に支配されるのではなく

 

 

 

まず内側に潜れ

そして 己の一端を少しでも知れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼくは絶対に忘れたくないことがある

ほんとうであれば 忘れたほうがいいのかもしれない

けど ぼくは忘れない

忘れたくない

忘れはしない

 

 

 

 

 

その苦しみを背負って 生きていくと決めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きょうまでに読んだ本

 

夜明け遠き街よ 高城高 東京創元社 (242)

ジニのパズル 崔実(チェシル) 講談社 (243)