雨を浴びる
きょうは一日、雨だった。
傘をさして歩いても、どこかに水しぶきがかかっているほどだった。
バスに乗った先でも。
JRに乗った先でも。
どの場所も雨粒が世界を覆っていた。
その雨は、残暑に近い湿気を伴い
行き交う人たちに汗となって降り注いだ。
とあるビルの屋上から、大通公園にいるひとたちを眺める。
傘をさしている人
傘をささずに歩いている人。
こんな高い場所からでも、カラフルな傘という花がよく咲いていた。
家路に向かう途中、雨に濡れた緑を見た。
何となくだけど、その緑がより鮮やかになっているような気がした。
雨は、清めの意味を持っている。
そう考えると、ときに疎まれることはあっても、大事な存在なのだなと思う。
雨がこの場所を浄化する。
あらゆる場所を。そしていかなるいきものも。
穢れはすべて拭えないかもしれない。
そこからこそ、自分自身の出番なのだと思う。
ときに、自然現象は牙を剝き、わたしたちを絶望へ導くことがある。
しかし、その逆もあることを、忘れてはいけないのだと思う。