まっさらな原稿を前にして。
まとまらない、思えるようになってきたこの頃。
まだどこかに「書きたい」とは思っているのだが。
どうやら、考えと行動とがうまく結びつかないようだ。
何を書きたいのか。
どんなことを書きたいのか。
浮かび上がっては霧消していく。
星のような遠い位置にあることも、ときには書きたくなる。
書くという行為が、まるで楔を打ち込むかのように。
若いころから、仕事でも日常でも「ことば」を意識するようになった。
「ことば」を仕事にしたいと思うこともあった。
しかし、それは困難だった。
そしていま。
当初の理想とは異なっているものの、「ことば」を仕事にしている。
こんな奇遇もあるのか、と思っている。
音楽家が曲を紡ぎだすように
わたしも伝え、届けたいことを紡ぎたしたい
ときにはどうでもいいようなことを書くこともあるが、その大半は至極真面目なことなのだ。それらの正しさを証明することは皆目無理なのかもしれないが、程よい波紋を生み出すことにはつながるだろう。その波紋がどこかに届き、反響して返ってくればいい。その連鎖が、何かを創りあげていくものと信じている。
もういちど。
書きたいことはなんなのか、書き出してみることにする。
書かねばならないと感じていることは何なのか、探ってみることにする。
包み隠さず。
怖れから逃げずに。