つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

「情熱」は「楽しさ」へと変化する。

先週の土曜日なのですが、八雲町でも郊外のほうに出かけてきました。

 

きっかけはSNSで見かけたひとつの投稿だったのですが、その内容を見て純粋に興味が湧きました。

 

そのイベントは「ordo(オルド)」といいます。

 

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このオルドという催しは主に札幌で活動されていらっしゃる「tab」というシェアオフィスに在籍しているさまざまな方がかかわっています。そのメンバーの中に八雲町在住のかたがいらっしゃったので、今回の実現に至りました。

 

チラシには「ゆるふわ交流会」とありましたが、ぼくがここから感じ取ったのは

 

「Passion」と「Joy」という、ふたつの星でした。

 

 このSNSを見たとき、同時にどのようなかたたちが運営側として参加されるのかを予めチェックできたのですが、その中に「くすみ書房」の娘さんがいらっしゃいました。

 

くすみ書房は札幌にあった本屋さんで、界隈では有名な本屋さんでした。

当初札幌市西区にありましたが、その後厚別区大谷地の商業施設にお店を構えています。

出版業界同様、書店経営も難しい世の中となっていたためか、お店は長く続けることができませんでした。

 

実は今年、この本屋さんを題材にした本が出版されたことを報道で知りました。

そういった記憶がよみがえったためか、いち利用者としてお会いしたくなったのです。

こちら側としては、甚だ勝手な理由ではありますが。

 

 

このtabに所属されているかたで当日参加されるのは8人。

肩書を見てみますと、ウェブデザイナーやフォトグラファー、グラフィックデザイナーなどいずれも「クリエイティブ」なものばかり。イベントのコーディネーターなどを経験されたかたもいらっしゃるのですが、ぼく自身クリエイティブではなかったので、当初は場違いになるものと覚悟しておりました。

 

またこの日はずっと雪が降り続いており、時折視界が塞がれる中での運転。

そんなことまでして郊外に行かなくてもいいだろうに・・・と思いながら、ぼくは車を走らせていました。

 

今思えば、何かしらの「ヒント」が欲しかったのだと思います。

 

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これはトークセッションの様子。

主催側のメンバーが交代でトークをしています。

 

会場は「カミヤクモ321」というフリースペースで、今夏にDIYでリノベーションしたことで地元紙の地方版にも記事で紹介されました。会場はお世辞にも温かい環境ではないため(予め案内あり)、このような恰好で過ごしています。

 

当初ぼくは「知り合いはひとりくらいだろうな・・・」と思いながら会場に入りましたところ、開口一番、「協力隊のひとですね、コーヒーを淹れる」と、お店に来てくれているかたに遭遇するという・・・笑。

 

実際に会場を見てみますと、何度かお店を利用してくださった方もいらっしゃることがわかりました。その後ご挨拶を済ませ、テーブル上の食べ物をパクリ。会場は映像と縁覚で演出されており、雰囲気としてはクラブのような空気でしたが、思い思いのことをやってらっしゃるところが「ゆるふわ」なのだと思いました。

 

その後、くすみ書房さんの娘さんをご紹介いただき、少しだけ歓談。

娘さんはフォトグラファー&ウェブデザイナー&美術作家として多彩な活動をされており、くすみ書房が在ったころは主にWeb面でのお仕事を手伝っていらっしゃったとのことでした。

 

『奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの』の著者でもあります。

絶対に読むと決めました。

 

イベント自体がゆるふわであったため、イベント終了後もゆるふわな空気は続きました。

 

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これ、「アナログゲーム」をやっているところです。

これがすごい盛り上がりました。

なんでも、自己紹介なく遊ぶ光景がそこかしこにあるようです。

この日遊んでみたアナログゲームは3種類ありましたが、いずれも楽しかったです。

 

写真には撮っていませんが、プロジェクターを使ってテレビゲームも行っていました笑。

 

 

 

個人的な疑問として、どういう考えそしてどういう気持ちでこのイベントを企画したのだろうと思っていました。

 

その意図を探るというのが目的ではありませんが、八雲町発の企画ではあっても、実際に手掛けているのは八雲町外の人も入っています。これはいつもと違う刺激があるのではないかと思ったのが正直な感想です。

 

フタを開けてみましたら、「楽しさ」しかありませんでした。

ただ展開の発端として、「こんな企画をやりたい」「この企画を実現させる」という「情熱」が少なからずあったことと思います。利益を追求するイベントに多く触れてきたからマヒしていたのかもしれませんが、「楽しむ」ことが目的のイベントがあってもいいよなぁとひとり感心と言いますか、勉強をしていました。

 

利益を求めるとなりますと、途端に垣根が高くなることは事実。

利益を求めないものであったとしても、準備には相応の費用が掛かります。

その費用が大きくなればなるほど、普通ならば「楽しんでいられない」となると思うのです。

 

ここでちょっと振り返ったのが、手前味噌ですが「噴火湾木育ひろば」。

非営利活動とはいえ、かなりのプレッシャーがかかったことは事実です。

いまでこそ「よくやったよなぁ、三日間も」と回想するのですが、よく「やった」、その原動力は予算ではなく「情熱」であったことを思い出しました。

 

 

自分のイベントを行う際、幾度となく壁にぶつかりました。

その壁は「意思疎通の壁」、「予算の壁」、「時間の壁」など様々です。

自分が至らない部分が過分にあったこともあり、幾度となく泣きました。

そんなことをしていたとしても、時間は無くなります。やることもある程度限られつつある中でも、やっつけ仕事にならないようにという想いのみ決して離さず、どうしても実現させるのだという気持ち一本で具現化させたのが、このイベントでした。

 

このイベントからは、開催期間中も開催前も開催後も、時間関係なく「気づき」を与えてもらっています。

 

その後普段の仕事にも力が入らなくなるほど無気力になりはしたものの、いま再びあの情熱を思い出し、次に注ぐ先はどうするかといったことを考えています。

 

八雲町に移住した。次は「定住」を目指す。

そのために、自分は何をすればいいのだろうか。

自分で仕事をするとしても、他の人がやっていることと同じようなことをしていても、かなりの確率でダメになってしまうだろう。

であるならば、何かに囚われない活動をするのがいいのではないか、と思うようになりました。

 

 

「生きていくためにお金は必要です」

 

と、言い放たれたことがありました。

 

 

 

どうやらぼくは、出来ることならお金を必要としない生活を実現させたいようです。

どうしても固定費はかかってしまいますが、必要な部分を減らしていくことはできるはず。そして、やりたいことに必要なお金は、自分の労力をしっかり注力して用意したいと。

 

 

お金を稼ぐのはひとまず置いといて、見えないものを具現化させていこう。

志が違うのだということが少しずつ理解できた頃から、離れた意味がわかってきました。

 

幸いにも、「こんな情熱もあるんだ」ということを知ることが出来たのは善かったと思います。これまでは自分の考えをガチガチな軸として据えていましたが、今後は少し変化をつけることが出来そうです。それはぼく自身の、八雲町における生活にも良い変化をつけることにもつながると思います。

 

 

 

 

 

 

「楽しさ」がないと。

 

自分がやりたいこと、そして求められている仕事に対しても、この部分を外さずにいこうと思います。

 

 

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