自宅から役場までの道のりが いつの間にか愛おしくなっていた
幾度となく歩いて通った道だったが
これももう あと数える程かと思うと
ひとつひとつの眩しさについ目頭が熱くなる
これほどに日常というものが
素晴らしいと思ったことはなかった
先日 町の広報誌折り込みの手伝いに行ってきた
これも最後のご奉公だと思い 黙々と作業をした
清々しい気持ちだった
あれもこれも もう最後と思うようになってきた
やっと慣れてきたことも
新しいところに移ってしまったならば
たった1年で どれほどの想いを伝えることが出来ただろうか
まったくもって伝わっていないと糾弾されることもあろう
多少なりとも届いているものもあろう
あれこれと考えてはみたものの
結局は種が植えられていればいいのだと悟るのみだ
朝 役場へ事務所のカギを取りに行く回数はあと7回になった
お店を閉める担当回数はあと5回
もう たったそんなものだ
ひどく感傷的になっている
それはひょっとしたら
この時間をしっかりと生きていることの裏返しなのかもしれない