つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】ひかり

どうしでだろう おしえてよ

 

こんなに手足を動かしているのにまったくすすまない

 

だからなのかな 余計に焦ってしまうんだ

 

だって うちの猫がお腹を空かして待っているから

 

 

 

 

こんなにも進まないものだったっけ

 

ちょっとこれは 冗談じゃないレベルだよ

 

知らないうちに 顔が変わってるって言われた

 

しょうがないじゃないか 片づけたいものが片づかないんだから

 

もういやになってくる

 

 

 

 

こんなときは何をやってもだめだからと誰かがつぶやいた

 

そうなのかと思いながらも やはりどうにかして片づけてしまいたいという気持ちだけが強くなった

気持ちとは裏腹に どんどん積み上がっていく仕事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう いやだ

 

 

 

 

 

 

 

ぼそっと 自分に言い聞かせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうするとじわりと額の下が熱くなったのを待っていたかのように

 

すべてを解ってくれる手がさらりと吹いた

 

濁ってしまったまっすぐを受け止めてくれる手がふわりと止まった

 

 

 

 

街燈の灯りでさえも雨や雪 そして涙でかすんでしまうのに

 

それはただただ 暖かった

 

ほんとうに 暖かった

 

 

 

 

その手は受け止めてくれる あらゆる清濁も

 

その手は撫でてくれる 肩を落としたたましいを

 

 

 

その手は注いでくれる

 

その手は当ててくれる

 

その手は想ってくれる

 

その手はいつもそばにある

 

 

 

 

 

 

それはつい見失っていたひかりだった