つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】17km

4月になって立場が変わってみると

 

とたんに電話が鳴らなくなった

 

もともと圏外だからということもあるのだけれど

 

私用の通知ががくんと減った

 

今ではメルマガが五月蠅く主張してくるだけになった

 

 

 

更新ボタンを押しても

 

何の音沙汰もなくなった

 

それは離れた場所にいるからなのだろうか

 

それとも同じ立場ではなくなったからなのだろうか

 

 

 

どこかで 仕事が大変なんだろうと思いたいけど

 

何かのタイミングでぽつんとメッセージがやってくることを願っている

 

どうやら独りでいたいというのは強がりのようだ

 

独りを望んでいたけれど 交流することまでは捨てたくないようだ

 

 

 

自然に生きるものたちも群れを為すように

わたしたちも集団で行動しようとする

その集団から外れてしまうということは

案外こういうことなのかもしれない

 

もう アドレスもがらくたになっていくのかもしれない

 

 

もうずっと連絡のないアイコン

素っ気ない返答しかこなくなったメッセージ

ただ発信するだけの画面とにらめっこ

マチから離れた場所がもたらしたものは 一抹の寂しさだった

 

 

時間にしたら車で30分もかからない距離だけど

ココロの距離は数時間分離れたようだ

もしくはもう逢うことはないかのように

時折訪れるマチはひっそりとしている

 

 

ここにきてようやく 距離の重さを知った

だからといって マチが羨ましいわけではないんだ

距離が離れているからこそ

気にかけて欲しいこともあるのかなと

霧雨の中で思った