事務所から窓越しに外を見ていた
休日の事務所はコピー機の音さえも止まり
普段にはない静寂が流れている
無音という音なのだが
それがどうにも心地よかった
もっと聴いていたかった
何気に外を見ていても
何の音もしなかった
牛の鳴き声も聞こえなかったし
重機が動く音も届かなかった
陽射しは暖かで
窓一枚越えればすぐにも鳥のさえずりが聞こえてくるのに
建物の中はまるで別世界のようだった
何かと音にすがっている毎日だと気づく
それを手放すのはなかなか難しい
あれこれとしているうちに
季節はあっさり変わってしまうだろう
スマホを見ている時間も音は流れていない
この文章を書いている時間も
早朝の牧場も
一斉に音が眠っていることがある
その時にすうっと打ち上げるのだ
音に紛れない純粋な想いを