【詩】詩源地
これまで書くことが出来ないでいた詩が
ここにきて書き紡ぐことができている
何故だろうと考えてみたけど
目の前の光景が変わったことや
これまで就いたことのない仕事をしているからのかもと思うだけで
確かなことは何もわかっていない
けれど
言葉が出てくる
湧き水のようにどんどんと
いまぼくの中に
言葉の水源地がはっきりと存在する
この水源地からもたらされる言葉は
ときにひどく濁り
ときに澄むほど純粋で
母体とする人間の魂や感情に敏感に反応する
針の振り幅はとてつもなく大きいこともあるけれど
お構いなしに言葉はノンストップで溢れ出てくる
どんなに手で掬おうとしても
零れ落ちることのなんと多いことか
これから先
どれほどの詩を注いでいくことだろう
見向きもされない詩が多いけれど
なるほどと思ってもらうことができたなら
それはそれでめっけものなんだけどな
これから先も
泥臭い言葉を紡いでいく
せせら笑いを浴びるだけの存在だけれど
言葉を詩で究めると誓った以上は
これから先も
伝えることのない想いを綴っていく
自己陶酔だと非難されるだけの存在だけれど
伝え届けることを求めんと決めた以上は
これからの時間と残りの時間
とめどなく言葉を使っていくだろう
それが叙事詩になるならば
誰かに届けることのできるものになるならば
移り住んだこの地で詩人となろう
わたしに言葉を
わたしに詩をもたらしてください
そしてそれは
あなたの元に届けてもいいでしょうか
勝手な気持ちだけれども