身体の右側が特に痛く
重いものを持った途端に悲鳴を上げた
傷は癒えている途中だと言わんばかりの
軋んだ声を張り上げた
吐く息が重く
足取りも重い
これから何が起こるかわからないであろう展開に
生きた心地がしなくなる
この数時間で老けていくのを感じた
激流の中においては
石ころひとつはおよそ何の役にも立たない
その事実をわかりながらもどうにかできないかと思うのは
余計に力が入ってしまうのだと思う
「やるべきことをやってください」
遠くから厳しく そしてとても優しい声がした
その声を反芻しながら
治りが遅くなったとしても
疲れが癒えることなくても
その一瞬を 今を
持ちうるすべてで取り掛かる
それが不器用なりの背中なのだ
誰も見ていないその部屋で
遠くから自然の声がする
その声に交じって
背中を押す想いがある