ある日身体を動かしてみたのだが
いつの間にか足が上がらず
腕も上がらなくなっていた
坂道がこんなにキツく
足がこんなに重たいと感じたことはなかった
この事実と一向に進まない現実に直面したとき
半べそかいているところをキツネに見られてしまった
高らかに啼くキツネが羨ましく感じたことはなかった
何故ならわたしも泣きたかったからだ
意味はまったく異なるが
何とか声に出したかった
自分で決めて
華やかな道からは一歩はずれた
スポットライトが当たることのない世界に入ったはずなのだけど
どうしても知り合いの
華やかさを見てしまうと悔しくて仕方ない
そこには自分にないものがあり
他者は自分にそれを求めないのだという冷酷さがある
これでも頑張ってきたんだと呟くが
どうやらそれでは話題にはならないらしい
自分のやり方がただただ下手なのだと俯くが
どうにもこうにも悔しさの余韻が続いてしまう
こんな感覚はもう 味わいたくなかったのに
空は天気のはずなのに
夕日がこんなにも赤を演出しているのに
自分の周りだけ雨が降っている
視界がどんどんぼやけていく
それは悔しさに溺れていくようだった