久々に逢った君は
早口で近況を一通り話してから
ふと 下を向いた
視線の先にはカメラの画面やスマホがあったけど
なんだかとても
しょげているように見えた
ほんとうはそのときに
そっと 名前を呼びたかった
ただ 呼びたかった
立ち止まっているように思えても
うまくいっていないように思えても
ミリ単位でも実は進んでいる
実は止まっていること自体が錯覚で
わたしたちは見えない鎖で繋がれてしまっていると思い込んでいる
かんたんなことだよ
その鎖はないのだから
どうか顔を上げて欲しい
どうか笑顔を見せて欲しい
どうかその一歩が力強く
どうかその眼差しが生気に満ちて欲しい
なぜなら君は希望なのだから
光だとか太陽だとか
形容することばは星の数ほどあるよ
でもつまりは
君が必要だということなんだ
ぼくの声に反応してくれなくなっても
君が元気でいるならば
ぼくももう少しこのからだを引き上げよう
君にとってぼくは些細なものでしかないと思う
それでもいい
君に何かを伝えることで
君に手紙を贈ることで
君に届け届けと願うことで
その甲斐を感じることが出来たならば
これから先何度
顔を合わせることだろうか
ぼくに手を振ってくれるだろうか
ぼくはそのすべてに
希望を込めてつぶやくよ
呪文のように
魔法のように