【詩】便り
実家に電話をした
元気な声が返ってきた
以前よりも調子がいいらしい
それを聞いてとてもうれしくなった
だって
当時の苦しみを知っていたから
親戚の近況を耳にして
その親戚へ電話をかける
あらぁ という声が飛び交い
しばらくぶりの挨拶を済ませた
今こそいえるが
元気でいてくれることがありがたく思う
近況を伝え
鉛筆を走らせる
この年齢になって実感することは
感謝を伝えたいということだった
懐かしむ声もあれば
コール音のみ響くこともある
外の風は強いけど
電話を通してあたたかいものが世界を包んでくれた
よくない便りもある
歓迎したい報せもある
その出来事に一喜一憂したくはないが
そういったものの上で生活をしている
ぼくはいま 息をしている