北海道八雲町「地域おこし協力隊」の活動拠点である【Loughmo(ら・ふも)】は今月下旬で閉店です。
本日届いた広報紙を見て、少し寂しくなりました。
タイトルにもある通り、八雲町地域おこし協力隊が運営するコミュニティスペース、その名も【Loughmo(ら・ふも)】が今月下旬で閉店することが告知されました。
この施設は検証事業となっており、最初から閉店することが決まっていました。
わかっていただけに、かつてその場に居て仕事をしていた人間は・・・というもの。
始まりがあれば終わりもある。
それが理なのですが、その事実に直面しますと、どうしても感情が前面に出てしまいます。
仕方ないですね。まだまだ未熟な人間ですから。
先日ですが、今年度で退任する協力隊員のひとりが職場にあいさつに来てくれました。
それはこの紙面にもある通り、無事に町内にある会社への就職が決まった、というものでした。
わざわざ報告しに来てくれたことに感謝するとともに、ぼくの場合はたった1年間でしたが、一緒の時間を共有することができて本当に良かったと思います。
ただ、この時間は良かったと思うだけではなく、反省や後悔もその中には含まれます。ほんの数年という事業のようでしたが、何かをカタチにすることはできたものの、何かを完結させたとまでは言えない状況です。厳しい方はいろいろと指摘されるでしょうが、今も昔も短期間で結果を導くのは、現実的にほぼ無理です。それでもそれを求めてしまうご時世が、わたしたち自身の首を絞めていることにつながっています。
昨日のニュースで太平洋側は荒れるという予報でしたが、周辺は水気をとても多く含んだシャーベット状の雪が10cm程度積もっていました。除雪するには骨が折れるほど重たい雪です。職員が出勤する際、通勤路では自動車が単独事故を起こしていたそうです。そんな悪路を呼ぶ天候だったようです。
天気の心配もありますが、新型肺炎の報道も落ち着く様子を見せてくれません。
少人数でありながらも、日々北海道内での感染者は増えているようです。自粛ムードはもはや震災時以上ではないでしょうか。これに嫌気がさす人もそろそろ出てくるのではと心配しています。
先に紹介したら・ふもでも、閉店前であり、活動の集大成とした報告会等のイベントを予定していたそうですが、それらもすべて見送りとなってしまい、このままではひっそりとその役目を終えそうです。状況にもよりますが、最終日には顔を出そうと思います。差し入れでも持ってね。
ちょっと望遠ですが、夕方近くに外へ出てみたところ、除雪でできた雪山のうえに一匹のキタキツネが。どうやら最近この辺りを歩き回っているようで、この建物周辺を歩いた跡がありました。彼(もしくは彼女)も、生活するのに必死です。
あっという間に、1年が過ぎようとしています。
昨年の3月、まだ協力隊であった頃の自分は、何を考えて行動していただろうか。
あの時の熱意をまだ、いまは持っているだろうか?
いろいろと考えていますと、地域おこし協力隊という制度は、それがまだ定着していない自治体にとっては、「非日常」のものではないだろうかという考えが出てきました。期限付きのものが多くを占めるそれは、長い年月をかけて進めていくものとしてはイメージするのが難しいです。逆に短期での結果を求めてしまうケースが多いのではないかと思います。それが背景としてあるから、賛成する人も反対する人もいるのだと思います。しかし当事者としては、なかなか経験することのない雰囲気の中で本気の活動をさせていただきました。以前にも書きましたが、反省と後悔しきりです。反発はされても、反発はなるべくしないほうがいいだろうと思うほどです。ぼくにはたった365日という期間でしたが、その期間は何物にも代えがたく、この先一生得ることができないであろう、貴重な経験と出逢いになりました。
だからこそ、協力隊でなくなったとき、協力隊が終わりを迎えたときには、脱力感に囚われないことが大切です。この事業に取り組んでくださった方は案外多くいらっしゃいます。見えないところで支えてくださった方が、本当に多くいらっしゃいます。その支援のありがたさを忘れず、喧騒から抜けたことで力が抜けないように気をつけつつ、次の道、次のミッションに取り組んで欲しいと思います。
同じ立場のまま、物事を進めていくのは難しいことです。だからこそ、年月を重ねて歩んでいく必要があります。それが難しい場合は、違う場所に移っても良いです。自分がしっかりと居るならばというのが前提になりますが。
気づけば今の職場も勤務してからもうすぐ1年が経過しようとしています。
この1年間はどうだったろうかと振り返るとともに、次の1年の計画を練らなくてはいけないなと考え始めたのでした。
ら・ふもよ、本当にお疲れさまでした。
平成30年度採用 元北海道八雲町地域おこし協力隊員より