つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】その風はやがて息吹に

春を告げた日

 

世界は風に包まれていた

 

 

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あらゆるものをもぎ取り

 

あちこちに飛ばしていく

 

季節を告げる風は

 

いつもよりは少し強めだった

 

 

 

風が吹いているあいだは会話もままならず

 

聞こえるべき音もかき消されてしまう

 

五感のひとつがままならないのをよそに

 

過去に押し込む力のみが見えない先に立っている

 

 

 

山から吹き下ろすそれは

 

歩みの足を止める

 

それはもう先延ばしではなく

 

意思とは裏腹に

 

 

 

ただそれはいつまでも続きはしない

 

やがて強さは引いていき

 

背中を押してくれるくらいにまで変わっていく

 

その息吹を纏い

 

きみのところへ飛んでいく