春の空とでも言えばいいのだろうか
その青はどこか暖かさを含んでおり
雲間から見える灯りは癒し以外の何物でもなくなる
下界はまだ白銀に包まれているけれど
そこからちょくちょく 花が顔をのぞかせている
巡ってくるのは何も良い知らせだけではなく
突然ガラスが割れるような ショッキングなことも運ばれてくる
それは疾風の春一番
知らせは今や あの道路沿いから来ることはなく
電線づたいに届くわけでもない
どこかに建てられているアンテナから発せられる電波で届くことが多くなった
それでもこの時期はどうにもそわそわしてしまう
離れることが多くなったはずなのにまだ
離れる事実が怖いと思っている
だから何かに対する感想や報告ほど
覚悟しなければならないことはない
どのような場所に住み変わっても
届けられる便りは大体同じ
つい遠くに望みを抱くが
世間は変わらず回っている