きょうはどうしても行かなくてはならない場所があった
それは「かつていた場所」だった
その場所は恒久的にあるわけではなく
いわば期限付きの場所
その運営がきょうで終わる
だから
この目に焼きつけておきたかった
完全自己満足のロマンチストだけれど
この場所は自分にとって特別なのだと
誰にも理解されるわけではないけれど
自宅に戻ってからふと 過去の記述を確かめてみた
偶然にも
この場所にいた 最後の勤務日が1年前のきょうだった
感傷的な人間は見向きもされないけど
これはもう個人で許容していればいいだけの話
それは少なからず誰にもある
その要素は必ず持っている
今年度の営業は午後6時までだったから
少しあたりが暗くなってきた頃にその場所を離れた
この場所はかつていた人員が店舗として引き継ぐそうだ
色々声はあるだろうが
1日も長くその場所にいてくれればと思う
もはや地方だけではない
閑散とした世間は砂漠のように広がっていく
都会ですら華やかなのはごく一部で
視界を別のところに向けると違った現実が見えてくる
わたしたちの活動はそれに抗うものだ
生きることは それに抗うものだ
そんなことを感じていた
この日は雪ではなく
雨が降っていた
季節は着実に春へと向かっている
わたしも足枷を外さなければと思った