つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】渦

生まれて育って進学して卒業して

 

就職して退職して転職して

 

恋をして恋愛をして悲恋となって

 

生きて生きて生きていく

 

 

 

 

 

世間では何か大きな出来事を取り上げるけれど

 

わたしたちの身近なことだってとても大きい

 

あちこちのお店が臨時休業になったことや

 

音信不通にされた挙句新しい人を見つけたからさよならと言われたこと

 

あなたには助けられたわと言いつつもその視線は自分を向いていないことや

 

政治家に向かって生活を返せと声高に叫ぶこと

 

実はあちこちにその渦はあった

 

 

 

人は他人がその渦に巻き込まれると野次馬のようにやってくる

 

しかし何かをしようというつもりはないらしい

 

それが一番悲しくて辛い

 

その瞬間こそ死を意識する

 

 

 

 

もう遠く離れたし二人の時間は勝手に止められてしまったけれど

 

あの人が元気でいることを願う一方で渦に巻き込まれていればとすんなり思う

 

あなたの言うことは間違っていると語気を強くしていたその姿が否定されればいいのに

わたしの正しさを証明することよりも相手の正しさは違うということが世間を通じて示されればそれでいい

 

だってその人はもうわたしの前に現れることはないし

私の前で頭を下げて謝ることなんて考えられない

 

だから私から遠いところで立派に苦しんでください

 

人間誰もが渦に巻き込まれるのですから