つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】浮かばない夜に

気がつけば同じところを見たまま夜を迎えていた

 

止まない雨

 

どこまでも続く雲

 

鳥肌が立つ空気

 

思考が停止した手足が杭のように打ち込まれ

 

ただずっとその場に佇む

 

何も考えることが出来ずに

 

明日のことも浮かばずに

 

 

 

 

 

誰かが力強く

 

重たくなってしまった身体を促す

 

他の誰かがとても熱く

 

冷めてしまった心を介抱する

 

 

 

なぜだろう

 

どうしてだろう

 

 

 

 

 

同じ世界にいるのに

 

変わり果てた世界にいるはずなのに

 

 

 

 

知らずに過ぎていく時は意外とあっという間で

 

時に刹那さえも無限に感じてしまう

 

その彼方は何も保証されず

 

広い牢獄に繋がれているかのよう

 

命ひとつ手にしていたとしても

 

素直には中々なれない

 

 

 

 

 

気がつけば夜になっていた

 

雲はいつしか消え去って

 

無数の灯りが散らばる幕が広がっていた

 

なにも浮かばない夜に

 

確かに何かが植え付けられた