詩を紡いでいると
どこかで詩を紡ぐことでさえ苦しいと思うようになる
そうして詩から2mほど離れてみる
離れたところから詩を眺めていると
色んな詩人の色んな詩集が飛び込んでくるようになった
思い出したように手を伸ばし
便箋のページを性急に捲っていく
どうやら詩から離れたことで
詩をどうこうすることに渇きを覚えていたらしい
こないだのことなどまるでなかったかのように
ちっぽけな封印を解く
誰かが待ってくれている訳ではないけれど
誰かひとりくらいは青ざめるくらいの熱量を放出する
詩人は決して独りではない
詩人は詩と詩の周りにあるものに生かされる
引導を渡されるものだと思っていたけれど
逆に尻を叩かれるようだ
そうして私の中の詩人は生きていく
恥ずかしげもなく
そしてまよいなく