※簡易放牧地にいる牛です
7月も半ばになってしまいました。
普段とは違う、しかし普段とは変わらない日常を送らせていただいております。
昨年は激務のただ中にいたため、この時期の仕事をまったく覚えておりません 汗
そのため、ざっくりとではあるものの、今回は忘備録的な日記として残したいと思います。
雪解けを迎えますと、放牧のための準備が始まります。
電気牧柵をこしらえるのですが、放牧地と草地(冬の牛用の飼料を栽培するところ)とで区画線を敷き、電気を流して牛が出入りできないように構築します。
流れている電流はそんなに強くないですが、瞬間的にバチっとした電流が流れるため、牛はそれを学んでいきます(ときにはものともしない牛がいます)。
時期は前後しますが、GW前後になると徐々に放牧を始めます。
ただここは通常の牧場とは異なるため、放牧を始めるタイミングと終わるタイミングで体重測定などを実施し、記録に残します。
放牧は一気にではなく、ある程度の意図を含めて行われます。
繁殖や肥育が主な理由になります。
その意図別に牛を分けていき、それぞれの放牧地に連れていきます。
その中には、八雲町育成牧場に預託する牛も含まれます。
ただ性質上、一度他の場所で牛を育ててしまいますと、元いた牧場に戻すことはできなくなります。そのため冬場は町内の牧場に預託を依頼し、飼育してもらいます。
放牧がひと段落すると、冬の飼料向けの草の収穫が始まります。
ひとつはグラスサイレージで、草の漬物のようなものになります。
もうひとつはロールで、ラップのようなものにくるめて保管したものになります。
この収穫は短期間で行われるのですが、天気に左右されるため、かなりの強行軍でおこなれることがしばしばあります。
草の収穫と並行して牛の発育状態を見ます。時には治療を行い、時には分娩の解除をします。そんなことをしていると、あっという間に1カ月、2カ月が経過します。
そうしてまた、冬を迎えることになります。
これだけのことなのですが、これだけのことに全力を注いでいます。
いきものを育てる、というのは、生半可じゃ無理です。痛い目に遭います。
反面、学びがたくさんあります。決して楽な仕事ではありませんが、誇っていい仕事だと感じています。
これが牧場での仕事で、ぼくの場合はこれに事務仕事、建物管理などが加わります。
飽きる暇もありません (笑)
お陰様で、毎日へとへとになります。そのおかげで健康です。
何がいいか、悪いかなんて、まったくわかりませんね。
明日明後日にはどんな出来事が起こるか、まったくわかりません。
札幌にいたときはそれを知りたかったのに、地方に移住してからは気にならなくなりました。生活に対する意識が変わってきたのだと思いますし、やはり自分は地方暮らしが合っているのだと感じています。
ただ、都市部に住んでいたことは大きな経験になりました。大きな反省も生みました。
だからこそ、今この場所にいるのではないかと思っています。
この世界ではまだ未熟なのですが、1日1ミリでもいいから、何かしらの貢献をしたいと思っています。