つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和2年7月の読書感想文⑥ 精鋭 今野敏:著 朝日新聞出版

久々に今野敏さんの作品を読みました。

この方は警察小説の他には空手があり、あとはジャズがあった記憶があります。

 

 

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精鋭 今野敏:著 朝日新聞出版 八雲町立図書館蔵

 

 帯には「SAT」の文字が並んでいましたので、そういった現場を書いたものなのだろうなと思っていたのですが、裏切られました(笑)

 

本作品は新米警官の主人公が研修を受けていくあいだに抱いた疑問を自分なりの方法で解決していくため、推薦もあってSATに入隊することになります。

 

この作品を読む限りは、警察官の世界は練習と研修の連続であるような感覚です。

試験もあるとは思いますが、練習が本番のように、そして本番が練習のようにといった語り掛けが、この世界の厳しさと重要さを物語っています。

 

この主人公が抱く疑問は、今でこのその疑問であるような気がします。

それ以前は、やはり言われたことをやる、で止まっていたのではないかと思います。

命令に従う、ということも大切ではあるのですが、自分で考えて動く、ということも社会人では必要な要素になります。主人公はその狭間で悩んでいる印象です。

 

この物語は「続きがあるといいな」といった展開で幕を閉じています。

2015年の刊行なので、ひょっとしたら続編が出ているのかもしれません。

是非ともシリーズ化して欲しい作品だと思いました。