つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和2年10月の読書感想文③ ハケンアニメ! 辻村深月(つじむらみづき):著 マガジンハウス

9月は1冊しか上げることが出来ませんでしたので、今月は早いタイミングで上げていこうと思います。

 

 

ちなみに、今回の本は札幌で1度読みました。

 

今回は、とある理由があっての再読です。

 

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ハケンアニメ! 辻村深月(つじむらみづき):著 マガジンハウス 

八雲町立図書館蔵

 

 この作品を再読しようと思ったのは、アニメーション制作の現場を改めて知ろうと思ったからです。他にも知るために必要な書籍はあると思うのですが、自分は真っ先にこの作品が思い当たりました。

 

作画がCLAMPというのも、わたしの年代からすれば嬉しい要素です。

 

作品は4章構成で、それぞれの章で主人公が異なります。

ただ時間軸は大きく離れてはおらず、それぞれの視点・心情を知ることが出来ます。

 

アニメーション制作の現場は、とにかく大変です。

その分、熱量も半端ないです。

 

それは決して、アニメーション制作の現場だけではないと思います。

ここに描かれている葛藤その他の起伏は、どこにでも潜んでいると思うのです。

 

ただ言えることは、この作品には「希望」が描かれていたと感じました。

 

 

 

さて、この作品を再読した理由なのですが、記憶に新しい「京都アニメーション」の出来事があったからに他なりません。というのも、個人的にお気に入りの作品である

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

の劇場版が封切りされたので、遠い札幌へ鑑賞しに(もちろん細心の注意などを払って)行こうと計画しており、その過程で「ハケンアニメ!」に改めて触れることにしました。

 

 

「いい仕事がしたい」

 

とは、誰もが思っていることであり、考えていることでもあります。

しかしこれが基準とはなかなかならないようです。

考えも価値観も異なる人たちが集まることは当然のことで、二人三脚のようにはなかなか進みません。そんな苦しみを抱えながらもハケン(覇権)を目指すという姿勢が、胸を締め付けます。

 

 

 

読み応えのある一冊であるとともに、とても重みのある一冊でもありました。