9月は1冊しか上げることが出来ませんでしたので、今月は早いタイミングで上げていこうと思います。
ちなみに、今回の本は札幌で1度読みました。
今回は、とある理由があっての再読です。
ハケンアニメ! 辻村深月(つじむらみづき):著 マガジンハウス
八雲町立図書館蔵
この作品を再読しようと思ったのは、アニメーション制作の現場を改めて知ろうと思ったからです。他にも知るために必要な書籍はあると思うのですが、自分は真っ先にこの作品が思い当たりました。
作画がCLAMPというのも、わたしの年代からすれば嬉しい要素です。
作品は4章構成で、それぞれの章で主人公が異なります。
ただ時間軸は大きく離れてはおらず、それぞれの視点・心情を知ることが出来ます。
アニメーション制作の現場は、とにかく大変です。
その分、熱量も半端ないです。
それは決して、アニメーション制作の現場だけではないと思います。
ここに描かれている葛藤その他の起伏は、どこにでも潜んでいると思うのです。
ただ言えることは、この作品には「希望」が描かれていたと感じました。
さて、この作品を再読した理由なのですが、記憶に新しい「京都アニメーション」の出来事があったからに他なりません。というのも、個人的にお気に入りの作品である
の劇場版が封切りされたので、遠い札幌へ鑑賞しに(もちろん細心の注意などを払って)行こうと計画しており、その過程で「ハケンアニメ!」に改めて触れることにしました。
「いい仕事がしたい」
とは、誰もが思っていることであり、考えていることでもあります。
しかしこれが基準とはなかなかならないようです。
考えも価値観も異なる人たちが集まることは当然のことで、二人三脚のようにはなかなか進みません。そんな苦しみを抱えながらもハケン(覇権)を目指すという姿勢が、胸を締め付けます。
読み応えのある一冊であるとともに、とても重みのある一冊でもありました。