人生の選択ということばがあるけれど
それはつまるところAとBをはかりにかけて
どちらが重みをもっているかを確かめることなのだと思う
その重みはいろんな言葉に変換され
ネガティブなものは一切含まれず
天使に見守られているかのようなポジティブなものでなければならないと
どこかで矯正しているように思えた
この世界には
はかりにかけたがっている
倫理に重きを置く人もいれば
生活費に切実な願いをかける人もいる
多くの人が賛同するいっぽうで
違うはかりを持ってくる人もいる
ものの大切さは
平等にはできないのに
世間はいつしか
世間の論理とは異なることに対して糾弾するようになった
世間はいつしか
大なり小なりの過ちに対して寛容ではなくなった
そして世間はいつしか
自分の愚かさを省みず差し置いては
他を責めることばかりに執心するようになった
この歪みは何なのだろう
はかりの目盛りもいつしか