つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

令和2年11月の読書感想文 恐ろしくきれいな爆弾 越智月子(おちつきこ):著 小学館

ここのところゆっくりと本を読む時間がなかったのですが、ようやく読み切った1冊になります。

 

 

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恐ろしくきれいな爆弾 越智月子(おちつきこ):著 小学館 八雲町立図書館蔵

 

 帯を見ますと、どうやら政治が題材の小説で、主人公は政治家(国会議員)の女性のようです。

 

「日本一やばい女」と書かれている通り、政治の世界ではあるまじき?、破天荒な振る舞いと行動で周りをかき乱し、自分の地盤を固めていきます。

 

表現としてはそれはもうドロドロで、クリーンな政治とは程遠い世界が描かれています。現実世界の政治家は、口ではクリーンと泡を散らせながら語っていますが、実際は当人にしかわかりません。ですが皮肉なことに、わたしたちが考える政治の実際は、このような権謀術数が飛び交う世界なのではないかと思うのです。そういった意味では「爽快」な気分にはさせられず、ごくっと息をの描写がされています。

 

しかし、どこの世界でも目をつけられますと、その梯子を外そうといろんな動きが起こります。主人公に対しても同様で、それに対して主人公はどのような手を打って対策するのか、それが見ものです。現実世界はなんともやられっぱなしの印象を受けますが、やられたらやり返す(どこかで聞いたセリフ)人も、政治の世界にはいてもいいんじゃないかと思うほどです。

 

 

この女性政治家がどのようにのし上がっていくか。

恐ろしく読ませる作品でありました。