つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】ことばひとつ

ねぇ そのことばは誰に向けられているの

 

ねぇ そのことばは何のために発しているの

 

ねぇ そのことばの目的は一体何なの

 

ねぇ そのことばに利益はあるの

 

 

 

 

ことばは誰もが持っていて平等に扱うことのできるツールでありコンテンツであったのだが

 

時代が加速するにつれ 生業にする人が増え それを武器にする人も増えていった

 

ことばとそのほかの何かを掛け合わせた錬金術で聴衆を魅了する人もいれば

 

拳をあげさせる言動で反応するための理由づくりに執心する人もいる

 

ことばはあたたかく 時には人の心をも救う昔からの技術だとばかり思っていたけど

 

どうやら世間は自分の利益を追求するためだけのものにしたいと考えているようだ

 

そのことばに 何が詰まっているのだろうか

 

 

 

 

 

言いたくても言えず、却って逆のことを言ってしまう

 

素直なことばがいえない頃は、真逆のことばかり言っていた

 

そうして素直になるタイミングを失ったまま大人になって

 

真実を隠したまま存在感をひそめ続ける

 

本心ではもうどうなってもいいやという気持ちで打ち明けたかったのだけど

 

どうせから始まる自己否定感と

 

不特定多数からの勝手な分析が

 

この足をいつの間にか石にしてしまった

 

 

 

だからもう

 

あのことばひとつすらそばで言うことはできなくなった

 

 

 

ことばは自由だけど自由ではなく

 

権利でもあれば権利ではない

 

ことばは武器であって武器ではなく

 

癒しの魔法であって魔法ではない

 

そのことばひとつが多かったり少なかったりで

 

いろんな争いも起きれば出逢いも生む

 

大切なことはことばがどうとかではなく

 

ことばをあやつり発する人の哲学にかかっている

 

 

 

 

きよしこの夜に悲しいことばをサンタクロースにはかけたくない

 

そんなことばかりしているとついには見放されてしまうから

 

 

だからといってぼくは立ち向かうわけではないけれど

 

出来ることはその人からことばを遠ざけることしかない

 

 

 

いまのこの世の中に数多の争いを招いたのは紛れもないわたしたち

 

だとしたらそれらを小さくしていくことができるのもわたしたち

 

わたしたちは弱いけど

 

何かのためにはこの世でいちばん強くなれることを知っている

 

 

 

ことばひとつたずさえて

 

ここからまた歩いてゆく