つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】寄せると返す

雪が少なくなって地表のいろが増えてくると

 

ふわりと区切りの季節がやってくる

 

そこには涙もあれば楽しさもある

それぞれが様々な思いを携える貴重な時間になる

 

 

空を飛ぶ鳥の数が明らかに増え

 

雪が静かにさせていた世界は

 

徐々に息吹を取り戻す

 

それはまるで波のようで

 

とても心地よいものだと改めて気づく

 

 

 

 

道路を挟んだ双方の歩道では

 

こどもたちがにぎやかに談笑していた

 

その笑顔はとても微笑ましく

 

とても羨ましく思えた

 

 

制服を着た学生の胸には卒業の証

 

それにお供するかのように親がついていく

 

寄せては返してきたことが

 

ひとつ結実したような感じになる

 

厳かだけど華やかさがある

 

もう少しで 人はその波を超える

 

 

 

人の生死とは関係なしに

 

去る者と入る者がいる

 

そこには涙がありそして

 

笑顔がそこかしこに溢れている

 

かつてのわたしたちはただ純粋に

 

新しい波を歓迎してきただろう

 

今は悲しくも

 

危険ばかりを探すようになった

 

苦い経験があったからだとしても

 

手放してはいけないものがあるはずなのだけれど

 

 

 

 

そして今

 

寄せ書き用に文章をつくっている

 

何かが返ってくるわけではないけれど

 

あのとき寄せては返ってきていた未熟さを恥じ

 

素直な気持ちを返そうとしている

 

嫌われ者は変わらないけれど

 

寄せては返すことの繰り返しのあいだに

 

自分が変わっていけばと思う

 

 

 

寄せることができるだろうか

 

あのひとにこの想いを