つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】こじつけたい世界

毎日毎日どこそこでコロナの新規感染者がこれくらい出ましたという報道があって

この世界はというよりもこの国を動かしている人や団体は無慈悲だという声があって

自粛自粛と叫んでも影から経済を動かせという偉いところからの要望が強くあって

流行になった忖度を繰り返しながら押したり引いたりの毎日が過ぎていく

どこかでは何それでこれくらい儲けたとか

はてまたどこかではそのような誹謗中傷には厳しい姿勢で対処しますとか

ほんとうの強さや優しさがかき消されていて

こんな世界に誰がしたんだろうと世界のまんなかで立ち尽くしてしまった

 

 

そうやって世の中の動きから定着されていく世界の印象に流されず

ただ日々の美しさや素晴らしさを感じる日々もある

それはかつてのわたしたちにも平等に与えられていたはずの

不安も心配も絶望もないただただ光り輝く世界がそこにはあった

 

 

歩道で縦に並んで歩いているこどもたちを偶然見た

よく見るとその集団はどうやら小学生で

ちょうど下校の時間だったようだ

そのグループはみな笑顔で

とても楽しそうに学校からの帰り道を歩いていた

 

道路を挟んだ歩道に駆け足で移動するときも

歩道にある電柱や柵にタッチして音を鳴らすときも

おともだち同士でおしゃべりしているときも

とてもとても楽しそうにしていたのが印象的だった

 

この子たちにはネガティブなものが微塵もないことが見て取れて

このまま世界が続けばいいなと願ってしまう

だってこの子たちが持っている素晴らしいものがそのまま大人になっても残っていれば

今のような殺伐とした世界には堕ちないからだ

わたしでも多少はどうにかなるかもしれないけれど

このまぶしい光景に思わず祈りを捧げた

 

下校途中の未来をたくさんの過去を経験した今がそっと見守っている

上下するランドセルはそのからだには大きく思えたが

そこに詰まっているのは教科書ではなく

楽しみな明日なんだなと思った