繁忙期の創作⑭
霧雨が降っていた朝が夏の湿気を伴う曇り空に変わる
気温が上昇して太陽が姿を見せたときには嫌なほどの暑さを連れてくる
そう思ったとたんに濃霧が目の前を覆いつくす
天気というのはこんなにも忙しいものなのか
人間の生活も天気に負けない忙しさなのだけど
接する人によってはその忙しさを偽装する
興味がないことの暗喩だと言われるけれど
忙しさを偽装した人も他の誰かに偽装されていることを知らない
それを自覚せずに人は機嫌という気圧を上下させ
天気予報よりも曖昧な占いに一喜一憂する
ラッキーカラーにすがりたくなる気持ちは
弱者に対する強気の陰に隠れた本当の姿なのかもしれない
自分の顔が見えなければこれ幸いと乱暴をはたらく
しかし顔が見えていないと思っているのは自分だけ
自分は自分の顔を知っているのだから
誰ひとり知らないということにはならない
霧の中から何かを探す
無謀のようなことでも仕組み立ててしまえば可能なのかもしれない
きょうの展望台は曇り空だった
次行くときには晴れるだろうか
明日の天気と未知の出来事に期待する
わくわくしながら味噌汁を啜った
【太陽待ち】