どうも東京と名の付くものには手が伸びてしまいます。
どうにも東京には一種のあこがれを持ってしまいます。
そんなわけで、谷川さんから見た東京を読んでみることにしました。
本書は詩と写真を合わせたもので、巻末には出典が出ています。また、この本のための書下ろしも収録されています。
詩とは比較的短い文章でつづられていくものだと思いますが、本の厚みが物語を感じさせてくれます。その頁はタイムスリップへの入り口のようであり、どこかで見た記憶がある光景が文字を追うごとに瞬きます。
ぼくは昭和・平成・令和と生きていますが、現在のところ昭和がダントツに好きです。
メインに生きた時代は平成なのですが、昭和の時代感がなんとなくいいのです。重みのある写真と詩が、ひとつの歌謡曲となってささやいてくるようです。
悪い癖として、どうにも谷川さん以外の詩人の作品を読まない傾向にあります。
頑張って手に取ろうと思うのですが、谷川さんの詩を詠むたびに、その感性に感銘を受け、ぼく自身の平凡さに自信を喪失してしまうのです。