つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

令和4年1月の読書感想文⑧ 常設展示室 原田マハ:著 新潮文庫

楽園のカンヴァスという作品を読んだことで、絵画(アート)小説を読みたいと思って購入しました。(楽園のカンヴァスはいわた書店の一万円選書で読んでいます)

 

f:id:maruyamabase:20220115083343j:plain

常設展示室 原田マハ:著 新潮文庫 個人蔵

 

 

6篇からなる短編集なのですが、アートに関する内容もさることながら、そこに付随するドラマがなんとも味わい深いです。まるで絵画を鑑賞しているときの、感情のさざ波がじわりとこの身にかぶさってくるようです。非日常ではない、どこかにあるような日常を綴らせることで、アートへの親近感が湧いてきます。帯は上白石萌音さんですが、美術館に足を運びたくなるコメントを寄せられています。

 

個人的には、最後に収められている「道」がよかったです。特急の車内で泣きました。

ここに描かれているお話は、絵画に込められている何かしらの情熱が顕在化したようなものなのかなと感じています。また改めて読みたい一冊です。