つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年1月の読書感想文⑩ 忘れえぬ人 山口瞳:著 河出書房新社

山口瞳はかつてサントリーに勤めていた方です。開高健とともに無双の強さを誇っていたと想像します。しかしそれぞれの作品をそれほど読んだことがなかったため、今回本書を手に取りました。

 

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忘れえぬ人 山口瞳:著 河出書房新社

 

単行本未収録のエッセイ集となっているようです。

 

その文章に目を通しますと、不思議と「読みやすいナ」と思わせます。

お酒がすいすい入っていくような感覚で、つっかかりも特に感じません。

その読みやすさが、この作家さんの力なのかなと感じました。

 

エッセイの内容は特定の人物に触れたものもあり、山口さんの思考が垣間見えます。

それは同時に山口さんの生きてきた道をも語ることにつながります。

ある程度読み進めなければならないのですが、山口・開高両氏の作品はもっと読まなければなりません。なんとなくですが、そうしたほうがいいと思わせるのです。

 

 直木賞菊池寛賞を受賞した実力派。古さを感じさせない味わいがここにありました。