つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

令和4年1月の読書感想文⑬ 一万円選書 岩田徹:著 ポプラ新書

北海道砂川市にあるいわた書店の店主、岩田徹さんによる初著書です。

こちらは事前に岩田書店から告知があり、店主の署名本を購入しています。

 

 

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一万円選書 岩田徹:著 ポプラ新書 個人蔵

 

 

〇一万円選書の成り立ちと仕組みがわかる

本書はいわた書店の店主、岩田徹さんによる、一万円選書のことが書かれています。

その前にどうして本屋の店主になったか、その生い立ちに触れていますが、人脈(といっていいのか)の深さ、広さに驚かされました。

 

一万円選書という企画ですが、当時はパッとしなかったそうです。

それでも地道に続けてきた結果、全国に取り上げられ一躍有名に。

マチにある小さな本屋が脚光を浴びた瞬間でした。

 

 

 

〇本書で紹介された本のリスト掲載

本書で選書するときに触れている数々の本ですが、巻末にリストが掲載されていました。岩田さんによる書評があるので、この時点で読みたくなってしまう本が出てきます。これはメモしなきゃなと思っていたのですが、巻末にリストがあって助かりました。

 

 

 

〇選んでもらった一万円選書は、

いまだけでなくこの先も活きると気づいた

個人的感想なのですが、この本を外で読んでいて、泣きそうになりました。

これはこの本を読んでいた当時の(とはいってもつい最近)出来事が背景にあるからで、同時に「あの時選んでもらった本の意味(意義)は、この先にも活きていくんだ」と気づきました。これは本書に収録されている、選書にかかわるやりとりを読んで思ったことです。そのほかにも、気づかされる至言が散りばめられております。

 

 

 

〇悪あがきじゃないよ、決して。

本屋さんの経営は大変と聞きます。本書でもその大変さに触れていました。

何とか持ちこたえて今日があることを見ると、個人経営の書店は「まだまだいける!」と思います。大型店は大型店の魅力がありますが、小さな書店も立派な魅力があるのです。その魅力をわかってくれている人が、いわた書店をはじめとした、全国のマチにある書店を支えていると思っています。

商売と仕事って、時折結びついて時折結びつかないんだなと、本書を読んで思いました。商売だけ結びつけているとだめだし、仕事だけ結びつけていてもだめ。採算ばかり見てしまう世の中になってしまったけど、いわた書店は商売と仕事、いまの結果を観ればうまい具合にバランスをとってきたのではないでしょうか。その結果が、採算につながっていきます。ですが商売(経営)は、大変です。頑張っていただきたいと思います。

 

単なる企画ではない、渾身の一冊です。機会があれば、お手にとって読んでいただければと思います。