令和4年7月の読書感想文⑨ 恋人たちはせーので光る 最果タヒ:著 リトルモア
最果タヒ(さいはてたひ)さんによる、43の詩集です。
これに併せて43のデザインが施されています。
純粋に、43篇の詩が収められている。
なかなかの量だと思います。
43の詩に対して43のデザインがあてられていますが、決して詩本体を邪魔するようにはなっていません。ちょっとアクセントをつけているような感じです。
詩はタテ読み、ヨコ読み、ページをまたいだりまたがなかったりと、様々な方向から詠んでいきます。それこそまるで光のようで、そこに季節のような瑞々しさをも携えています。詠んでいて、何かが「ぐっ」と、持ち上げられる感覚があります。
よく、「詩は自由」と言われますが、もはや「自由」という言葉では表現しきれていないように思います。ではどの言葉をあてれば良いのだろうと考えるのですが、これがなかなか思いつきません。身近な表現としては自由で良いのですが、奥底を見るときは別の表現がしっくりくるのかなと思います。自分が表現できないのは、少し辛いけれど。