つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年7月の読書感想文⑮ いっぴき 高橋久美子:著 ちくま文庫

チャットモンチーのドラマーとして活動されてた高橋さんは、2012年から文筆活動を開始します。本書は文筆家として走り出した6年間の文章をまとめたものですが、その文章力に引き込まれました。

 

いっぴき 高橋久美子:著 ちくま文庫 個人蔵

 

 

まず、チャットモンチーは知っていましたが、聴いたことがありません。すいません。そのため先入観なしで本書を読みましたが、読ませる文章でぐいぐい引き込んでいきます。厚みのある本書ですが、楽しめる厚さになっています。

 

ドラマーということで、帯にもあるとおり、リズムが良いのだと思います。

加えてエッセイという範疇が、一つの曲のように機能しており、かっこよく感じるのだと思います。一枚のCDアルバムのように表現されているのではないでしょうか。

 

しかしながら文字の多さに驚かされる一冊でもあります。ことばの多さと厚みで攻める様子はさながらドラミングに似ています。その快活な語り口も、ドラムに通じるような感じがして、勝手に親近感が湧きます。これはいい本を読んだなという満足感を得ることが出来た、そんな本です。