つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年8月の読書感想文⑥ さがしものが見つかりません! 秋山浩司:著 ポプラ社

第1回 ポプラ社小説新人賞 奨励賞受賞作になります。

 

さがしものが見つかりません! 秋山浩司:著 ポプラ社 個人蔵

 

 

とある大学に通う男子学生が「とんでもない男」に出逢ったことで、2年生からの生活は激変する、といったお話です。そしてタイトルにもある「さがしもの」は、結構後になってからでないとその「対象」は見つかりません。

 

主人公は大学と下宿を往復するだけの生活を送っていたのですが、2年生(2回生)になると生活の拠点であるキャンパスが変わることをきっかけに、生活が一変します。とある自主サークルに所属する先輩に引き込まれてしまい、何がなんだかわからないまま、大事に首を突っ込んでいきます。突っ込み先ですが、学生会(生徒会のようなものを想像)という組織になっており、どうやらキャンパスごとに学生会が存在し、相応の権力(と実行力)があるため、ハラハラドキドキの場面にも遭遇します。そんな毎日を送っていくうちに、この主人公学生にも、一本の筋が通っていきます。

 

 

帯にあるとおり、現役大学院生による大学生活の小説になります。そういった意味では、リアリティと想像性に富んだ作品となっていると思います。TRPGで以前蓬莱学園という作品があったのですが、そういう方面に広げてみても人気が出たのではないかなと思えるほどです。それくらい謎があり、楽しさがあります。キャンパスライフっていいですね~

 

ぼくは最終学歴は一応大卒になっていますが、大学は通信制を選んでいます。

単位の取得関係上、一定期間は本学のキャンパスに滞在していたこともあります。

そんな空気を思い出しながら、青春を読ませてもらいました。