つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

令和4年12月の読書感想文① 戦場のコックたち 深緑野分(ふかみどりのわき):著 創元推理文庫

深緑野分(ふかみどりのわき)さんという、珍しいお名前の作家さんになります。

以前この作家さんではこのような作品を読んでいました。

 

maruyamabase.hatenablog.jp

 

今回読んだ本はTwitterで見かけたもので、軍隊に所属するコックさんの話ということで読んでみました。

 

 

戦場のコックたち 深緑野分(ふかみどりのわき):著 創元推理文庫 個人蔵

 

 

19歳にして従軍し、特技兵(コック)として戦地を渡り歩きます。

読んでみたらあら驚き。謎解き要素が入っているではありませんか。その謎というのも、戦地ならではの事情から起こるミステリー(だと思う)で、そこにコックが関わるというのだからなお驚きです。

 

読んでみる前は、戦場にいるコックがどのように戦争を観ているのかなというものを期待していました。そういった部分も含まれていますが、非日常の中に潜む諸問題に取り組むという流れもまた非日常であり、食い入るようにして読み込みました。戦場における仲間の存在と意義についても考えさせられましたし、戦争というものそのものについても改めて思うことがありました。

 

本書は主人公・ティムが退官してその後の姿までもが綴られています。戦場で働く人たちが登場人物であったからこそ、生きて日常に戻った姿を見ることが出来る(読むことが出来た)のは、とてもうれしく感じました。